いびきと危険な睡眠時無呼吸症との関連

いびきのメカニズム

どうしていびきをかくのか?

いびき、イビキ、鼾、日本語だけでこれだけの表記の仕方があります。国語辞典で「いびき」と引くと ・・・睡眠中、呼吸に伴って鼻や口からうるさい音を出すこと。また、その音。気道、特に軟口蓋 (なんこうがい)の振動によって出る。・・・とまあ、こう定義されてるんですが、どうしてこの 軟口蓋というものが振動するのでしょうか。軟口蓋というのは口の中、上顎の上の部分を奥へ触っていくと 始めは固いですが柔らかくなってくる部分があります。ここからノドチンコにいたる部分をいいますが、 普通はこの軟口蓋という喉の奥にある肉片は若干の隙間が開いています。それによって気道を通った 空気が肺に届くようになっています。

 

この軟口蓋が何らかの原因によってふさがってしまい、そこを無理に呼吸をするために 空気を送り込むため、閉じている肉片が振動することによって音が出ます。楽器でいうとリード楽器、 たとえば、クラリネットとかサックスのような楽器と発音原理がにていますが、もっと近いのは トランペットなどの金管楽器かもしれません。金管楽器はマウスピースに唇を当てて 振動させて音を出します。でも、このいびき、楽器のように良い音はしません。 家族にいびきをかく人がいると他の家族からうるさくて寝られないとか、社員旅行などで知らないうちに 寝不足の人を作ってしまったりもします。このようにはなはだはた迷惑ないびきですが、かいている本人も 重大な危険と隣りあわせなのです。

 

いびきの原因

いびきの原因は、花粉症や副鼻腔炎など鼻に疾患がある人、アデノイドや扁桃腺に疾患のある人など これらの人は鼻から正常に呼吸ができなかったり、気道の周囲に病変があるため、正常な呼吸が できないため、いびきをかくと言われています。しかし最近多い原因はなんといっても肥満。 肥満することによって喉の周囲の脂肪や肉や下の付け根が肥厚して気道をふさいでしまうのです。 とくに就寝時は上から余分な肉が下へ下がり、余計にのどをふさいでしまう形になります。 そのため無理にそこを空気が通るため振動していびきとなります。

いびきをかく人は呼吸停止している

いびきをかく人はよく寝ているように見えますが、熟睡しているのかといえば、そうではありません。 いびきによって睡眠状態をかなり妨げられています。熟睡していないので翌日長いこと寝たようでもなんとなく 昼間眠い、疲れがすっきりとれていないなどの症状を訴えます。この程度ならまださほどの健康被害も あらわれませんが、いびきをかく人のなかに呼吸が止まる人が多いことが最近わかってきました。

 

この睡眠中に呼吸が停止する症状を「睡眠時無呼吸症候群」と呼んでいます。厳密に言うと 一晩に10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上、または、一晩7時間の睡眠中に30回以上の無呼吸を生じる疾患」 と定義されています。無呼吸症の本人には自覚がなく、家族に指摘されてわかることが多いです。 以前NHKの某番組で検証していましたが、いびきをかく人を被験者にして一晩にどのくらい呼吸が 停止しているのか調べてみると、驚くべき頻度で呼吸停止が起こっていました。 大きないびきをかいていたかと思うと、突然静かになります。いびきが止んだのかなと思うと そうではなく、その時は呼吸が停止状態になっているのです。